ThrottleStop 9.4 PowerLimit 解除する方法
公開: 2022年07月24日
ThrottleStop
ThrottleStopはCPUのクロックや電力設定を変更できるツールだ。
最近のIntelCPUはPowerLimitという仕組みがあり、電力制限がかかる。
ThrottleStopを活用して、CPUの持っている最大限の性能を活用したい。
目次
CPUには電力制限(PowerLimit)がある
ひと昔のCPUでは特に電力制限がないので、電力やCPU温度に余裕があれば、最大限のパフォーマンスで稼働することができたが、
いまのCPUはこのPowerLimit
の影響で最大限のパフォーマンスを出せない。
TDP28WクラスのCPUにおいても、PL2
と呼ばれるPowerLimit1では実は50W
くらいの処理をすることが可能だ。
ただ、PL2は持続可能な時間が数十秒のため、すぐに持続可能なPL1
に移行する。
例えば、Core i7-10700K
はデスクトップ向けのCPUで基準TDPは125W
だ。
しかし、PL2の短期の瞬発最大性能はなんと229W
も出力可能だ。
持続時間は56秒のため、この時間を経過するとPL1の125Wに移行する。
本来は250Wの性能を出せるのに、PowerLimitの制限により最大限の出力が出来ない。
デスクトップの場合はBIOSで設定変更が可能なモデルも多数存在する。
しかし、ノートPCの場合はPowerLimitを変更可能なモデルは少ない。
このためWindows側から制御可能な範囲で最大限性能を引き出す必要がある。
ThrottleStopはOSからCPUのPowerLimitに対して変更を要求できる数少ないソフトだ。
PCにもよるがThrottleStopで電力制限を解除可能な機種も多数あるので、是非試してみてほしい。
ThrottleStop PowerLimit 設定方法
ThrottleStop起動後にTPL
というボタンがあるので、これをクリックする。
TPLはTurbo Power Limits
の略で、PowerLimit設定が可能だ。
画面上部にあるTurbo Power Limitsの欄には現在設定されているPL1
,PL2
,Tau(Time)
が表示される。
私のCPUはIntel 11th Core i7 1160G7
で、それぞれ20Wと表示されている。
次にPower Limit Control
でDisable Power Limit Control
のチェックを外そう。
これによりマニュアルでPowerLimitの設定を施す事ができる。
PowerLimitの値を30W
にしてみた。
ThrottleStop TS BenchでCPU負荷テスト
ThrottleStopに搭載されているTS Bench
でCPUの負荷テストを行う。
- Priority: CPUタスクの優先度を設定
- Threads: プロセスのスレッド数を指定(CPUの論理スレッド数と同等が良い)
- Size: 必要に応じて増やす(小さいとすぐ完了してしまう)
CPU負荷テスト実行中はCPU使用率が100%となる。
この時の消費電力を確認しよう。
CPUのPKG Power
をみると19.9Wとなっている。
残念ながらこの機種は20W以上の出力が出来ないようだ。
Intel 11th Core i7 1160G7
はもともと15W設計のCPUで20Wの時点で最大出力と思われる。
このため、これ以上は引き出せなかった。
ノートPCによってはメーカーによってバッテリー稼働時間や排熱を抑えるために、PL1,PL2をあえて下げている機種がある。
このような機種には本設定が有効で、本来のCPUの性能を引き出すことができる。